粉飾決算が発覚したとき、個人投資家は何を見るべきか|DLEのケースから考える

粉飾決算が発覚したとき 個人投資家が見るべき3つのこと 株式相場

結論から言うと、粉飾決算が発覚したとき、個人投資家がまず確認すべきなのは「株価がどこまで下がったか」ではなく、「会社にお金がどれだけ残っているか」と「経営陣が関わっていたか」です。

この記事では、2019年に課徴金の対象になったDLE(ディー・エル・イー)のケースをもとに、不正会計のニュースを見たときの考え方をまとめます。

※DLEに関する数字は、2019年時点で公表されていた情報です。会社の現在の状況は、最新の開示資料で確認してください。

DLEで何が起きたのか

粉飾決算が発覚するまでの流れ

DLEは、アニメ「秘密結社鷹の爪」の制作などで知られる会社です。2014年に東証マザーズに上場し、2016年に東証一部へ移りました。

その後、過去の決算で不正な会計処理があったことが発覚します。公表された内容によると、経営陣が主導して、4年間で約23億円の架空の売上を計上していました。完成していないアニメの売上を計上したり、実態のない取引で映像制作の売上を立てたりしていたとされています。

2019年、証券取引等監視委員会の勧告を受けて、約1億3,500万円の課徴金が科されました。

株価はどう動いたか

DLEの株価は、2016年に上場来高値を付けた後、約3年にわたって下落を続け、2019年1月には上場来安値まで下がりました。高値から見ると、9割近く値下がりした計算です。

不正会計のニュースが出た後に「これだけ下がったなら、そろそろ反発するのでは」と考える人は少なくありません。ただ、粉飾決算の場合、それまでの決算の数字そのものが信用できなくなっているので、「割安かどうか」を判断する材料がそもそも崩れています。

業界目線で見る:粉飾決算のニュースで確認したい3つのこと

粉飾決算のニュースで確認したい3つのこと

1. 会社にお金がどれだけ残っているか

売上や利益は、会計の処理しだいで見かけを変えられます。一方、手元の現金はごまかしにくい数字です。不正が発覚した会社は、調査費用や課徴金、取引先離れなどでお金が出ていきます。手元の現金と、本業でお金を生み出せているか(営業キャッシュフロー)を確認しましょう。

2. 経営陣が関わっていたか

一部の社員の不正と、経営陣が主導した不正では、重さがまったく違います。経営陣が関わっていた場合、「他の数字も信用できるのか」という疑いが残り、市場の信頼を取り戻すには長い時間がかかります。

3. 上場が続けられるか

不正会計の内容によっては、証券取引所から「特別注意銘柄」に指定されたり、上場廃止の審査を受けたりすることがあります。上場廃止になると、株を売りたくても売れる場所が限られてしまいます。取引所の発表や会社の開示資料は、必ず確認しておきましょう。

個人投資家が身を守るために

  • 1社に資産を集中させない
  • 「売上が急に伸びている」会社ほど、お金の動き(キャッシュフロー)も合わせて見る
  • 不正のニュースが出たら、株価よりも開示資料と取引所の発表を先に読む
  • 「安くなったから買い」と、すぐに飛びつかない

金融業界では「決算書は会社の自己申告」という見方があります。監査を受けていても、不正を完全に防げるわけではありません。数字を疑う目を少しだけ持っておくことが、個人投資家にとっていちばんの防御になります。

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