こんにちは。
元証券マンの山田(@investingstock4)です。
今日は株式投資に関わる確定申告についてお話をします。
毎年2月16日~3月15日の間に前年分(前年の1月1日から12月31日)の所得を税務署へ申告する必要があります。
一般的なサラリーマン(給与所得者)は毎月給料から所得税等を天引きされており、年末調整をする事により確定申告が不要になっております。
その為、確定申告に馴染みがない方は結構多いのではと思っています。
ちなみに年収2,000万円を超えるサラリーマン(給与所得者)は確定申告が必要です。
羨ましい限りですが私の周りには数人程度しかいません。
今年の確定申告の期間ですが
2019年2月18日(月曜日)から3月15日(金曜日)
になります。
この間に確定申告をする必要があります。
それでは株式投資に関わる確定申告について説明しています。
目次
確定申告しないといけない方
一般口座を利用されている方
2002年より特定口座という新たな口座が開設可能になった事により、現在一般口座を利用されている方はかなり少ないと思います。
この一般口座とは取得金額、売却金額、売買損益のすべてを自分で申告する必要がある口座になります。
売却益が出た翌年に確定申告が必要になります。
何かしらの理由があって一般口座を利用されている方もいると思いますが今は基本的には不要な口座だと思っています。
※私が証券会社に勤めていた際に個人投資家の中には税金を納めたくないという理由で一般口座を利用されている方がいらっしゃいましたが現在のシステムでは調べれば簡単にわかってしまいます。
※法人口座は特定口座開設ができない為、すべて一般口座での取引になっています。
一般口座を利用されている方で売却益が発生した翌年には確定申告が必要になります。
特定口座は開設しているが源泉徴収なしを選択されている方
一般口座は自分で確定申告をする口座ですが特定口座は売買毎に証券会社が損益を計算してくれる口座になります。
一般口座と比べて特定口座はとても便利な口座ですよね。
特定口座は源泉徴収あり、源泉徴収なしの選択ができます。
●特定口座源泉徴収ありの口座
すべての売買損益を証券会社が計算をして代わりに税金を納税してくれます。
●特定口座源泉徴収なしの口座
すべての売買損益を証券会社が計算をしてくれます。
税金に関してはご自分で確定申告する必要があります。
特定口座源泉徴収なしをご利用の方は確定申告の必要があります。
大口株主の場合
上場企業の発行済み株式数3%以上の株数を保有する個人株主が配当金を受領した場合は確定申告が必要になります。
基本的に大口株主さんは他にビジネスしている方がほとんどだと思うのでどちらにせよ確定申告が必要になるでしょう。
四季報に乗るような大口の個人株主になりたいものですね。
上場企業の発行済み株式数3%以上を保有する個人株主が配当金を受領した場合は確定申告が必要になります。
確定申告をした方が良い方
ここからが個人投資家の方が注目すべきことですね。
確定申告をして優遇されるならした方が良いです。
株式の譲渡益税(売買益)、配当金受領に関わる基本的な税率は20.315%です。
利益をとっても約2割が税金として消えます。
利益が出ている分には良いですが昨年は大きな損失を被った投資家も多かったはずです。
ここは注目して読んで欲しい所です。
前年に大きな売買損失(譲渡損)を出してしまった方
前年(2018年)に大きな売買損失(譲渡損)を出してしまった方は確定申告をした方が良いと思います。
株式の税制として
3年間の繰越控除という物があります。
No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
[平成30年4月1日現在法令等]
1 特例の概要
上場株式等を金融商品取引業者等を通じて売却したこと等により生じた損失(以下「上場株式等に係る譲渡損失」といいます。)の金額がある場合は、確定申告により、その年分の上場株式等の配当等に係る利子所得の金額及び配当所得の金額(上場株式等に係る配当所得については、申告分離課税を選択したものに限ります。以下「上場株式等に係る配当所得等の金額」といいます。)と損益通算ができます。また、損益通算してもなお控除しきれない損失の金額については、翌年以後3年間にわたり、確定申告により上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得等の金額から繰越控除することができます(注)。
※国税庁HP(3年間繰越控除について)より引用
こちらからご覧下さい。
大きな譲渡損を出してしまった場合、確定申告をすると
翌年から3年間損失を繰越する可能です。
例(特定口座源泉徴収あり)
・2018年→譲渡損 100万円
※2019年により確定申告をする。
・2019年→譲渡益 50万円(特定口座で約10万円の税金徴収)
※2020年に確定申告をすると前年に特定口座で徴収された約10万円が戻ってきます。
・2020年→譲渡益 10万円(特定口座で約2万円の税金徴収)
※2021年に確定申告をすると前年に特定口座で徴収された約2万円が戻っています。
・2021年→譲渡益 20万円(特定口座で約4万円の税金徴収)
※2022年に確定申告をすると前年に特定口座で徴収された約4万円が戻ってきます。
上記の例でいうと2019年から2022年まで毎年確定申告をする事により約16万円の還付が受けられます。
確定申告をしないと特定口座で税金を徴収されたままになるので保有資産が16万円マイナスになります。
この例を見て16万円の差が大した事ない、少額だと思う方は確定申告をする必要はないと思いますが、
16万円が大きいと思う方は確定申告をした方が良いと思います。
この年間損益に関しては株式配当金や投資信託の売買損益、分配金についてもまとめて計算する事ができます。
詳しい話は専門家、税務署職員に相談して下さい。
※株式の売買損失があるけど投資信託の普通分配金で徴収された税金がある方はチャンスかもしれません。
注意
・大きな売買損(譲渡損)が出てしまった場合は確定申告した方がお得になる。
・売買損益(譲渡損益)は株式、オープン型投信、外国債券、外国株式、配当金、分配金を合算する事ができます。
(中には合算できないものもあるで注意して下さい。)
・3年間の繰り越し控除は毎年確定申告を提出しつづける必要があります。
・取引がない年も申告が必要で1年でも抜けてしまうとその年からのスタートになってしまうので注意が必要です。
・先物取引、オプション取引に関しても3年間の繰り越し控除はありますが控除できる所得の種類が違うので注意が必要です。
・確定申告する事によって保険料や税金が上がる事もあります。
・必ず税理士や税務署職員等の専門家に相談した上で正しい確定申告をして下さい。
未成年口座(特定口座)
未成年口座で売買益(譲渡益)がある場合は確定申告をすると有利な場合があります。
これは知っている人は知っているが知らない人も多いです。
未成年者は所得が38万円以下の場合は税金は非課税、確定申告の必要性もありません。
No.1199 基礎控除
[平成30年4月1日現在法令等]
確定申告や年末調整において所得税額の計算をする場合に、総所得金額などから差し引くことができる控除の一つに基礎控除があります。
基礎控除は、ほかの所得控除のように一定の要件に該当する場合に控除するというものではなく、一律に適用されます。
基礎控除の金額は38万円です。(所法86)
※国税庁HP(基礎控除)より引用
こちらからご覧下さい。
先ほども述べたように未成年者は所得が38万円以下の場合は税金は非課税、確定申告の必要性もありません。
しかしながら特定口座(源泉徴収あり)の場合は源泉徴収されてしまいます。
税金の還付を受けるには確定申告が必要になります。
特定口座(源泉徴収なし)の場合は譲渡益が38万円以下なら非課税になり、かつ確定申告が不要になります。
未成年口座をを利用する場合は特定口座(源泉徴収なし)を選択した方が良さそうですね。
ジュニアNISAを利用するのもありですがジュニアNISAには出金制限があるので要注意です。
注意
・未成年口座は頻繁に売買すると仮名取引疑いがかけられる可能性あります。
・未成年口座への入金は贈与を伴います。
・未成年口座の特定口座は源泉徴収なしが便利。
・確定申告する事によって保険料や税金が上がる事もあります。
・必ず税理士や税務署職員等の専門家に相談した上で正しい確定申告をして下さい。
今日はこんな感じの記事になりました。
証券税制に関しては知らない方も多いので知っておいた方がお得です。
私はFP2級、AFPを保有していますが税理士資格は保有していないので税金に関しては税理士や税務署職員などの専門家に相談する事をお勧めします。
今日も私のブログにお越し頂きましてありがとうございました。
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