こんばんは、元証券マン山田(@investingstock4)です。
今日は私が約10年間在籍した証券会社のリテール営業について書きたいと思います。
証券会社(リテール営業)の実態に興味がある方や就職、転職をお考えの方に読んで頂ければ幸いです。
※退職してから時間が経っている為、現在では変わっている点があると思います。
証券会社の仕事内容
1年~2年目
入社後2か月間は本社や研修施設などで証券外務員資格やその他金融系資格を取得する為の研修、社会人研修、営業研修をしていました。
入社後3か月目に営業部店に配属。
その後は毎日、新規開拓営業。新規開拓営業は約2年間ほど続きました。
内容としてはノーアポでの飛び込み営業がメイン。
今でこそ少なくなっていると思いますが私が入社した当時は飛び込み営業ができない営業マンは出世できないと言われていました。
もちろんテレアポ営業の時間も定められていました。
何度も訪問し口座開設をして頂いた時はとても嬉しく、大きな満足感を得られました。
新規で口座を作って頂いた時、大きな金額で約定できた時も達成感を感じていました。
3年目以降
3年目以降になると転勤する可能性が高くなります。転勤した場合は転勤先の部店で引き継ぎが行われます。
これまでの新規開拓、資金導入の営業成績を参考に転勤先や担当顧客を決められます。
社内、前所属部店での評判、成績が良い営業マンは優良顧客を担当につけてもらえます。
ここで言う優良顧客とはカモ客(何でも言う事を聞く客・優しい客)、富裕層などになります。
カモ客という表現は非常に悪いものだと思われますが証券会社の部店ではよくある話だと思います。
カモ客以外にも言い方は色々とあります。
話がそれましたが優良顧客をつけてもらえた営業マンはどんどん営業成績が上がります。
時間が経つにつれ他の営業員が転勤になるとさらに優良顧客をつけてもらえる事もあります。
一度良い評判になるとどんどん手数料、数字が伸びる結果となります。
まぁそれも相場次第ですけど。
カモ客という表現で上司と揉めた事もありました。
「言い方を変えた方が良い。」
「顧客を手数料稼ぎの道具にするな。」的な感じだったと思います。
もちろん返り討ちに合いました。
真正面から上司に逆らう事は止めましょう。
私は間違った事を言ったつもりはありませんが上司以外の周りの方にも大きな迷惑をかけてしまいました。
これは私の大きな反省点です。
1日の行動パターン(2018年退職時)
5:45 起床と同時にテレビ東京のモーニングサテライトを見始める。
6:30 モーニングサテライトを見ながら日経新聞を流し読み。
6:45 出社準備完了。満員電車で日経新聞を読む。
7:15 出社。
7:20 前日の日本市場、中国市場の数値、チャートを改めて確認。
日経先物、米国市場、欧州市場の数値、チャートなどを確認。
7:30 日経新聞、株式新聞、日本証券新聞、株式関係のHPをチェック。
7:45 前日までのノルマ達成率、今日の予定確認。
8:15 朝礼など。その日にどのくらいの手数料を上げるのか上司に伝える。
8:45 寄り付き前に株取引がある顧客へ連絡。注文をもらう。
9:00 寄り付き。株式市場が開く。みんなで「寄り付き!!」と合唱する。
ここからは自分の顧客への相場連絡、注文を頂く為の電話をする。
ある程度落ち着いたら10時までに翌日以降のアポイントを取る。
10:15~10:45 米国株式の店頭取引。
10:45~14:00 外訪。アポイントを取った顧客を順番に訪問する。
アポイントは投資信託、外債、仕組債、国債などの所謂募集物を勧誘する為のもの。
14:00~14:30 先ほどの訪問で受注した商品の発注。PCに訪問履歴なども入力。
14:30~15:00 顧客へ日本株の相場連絡。大引けでの注文を受注する。
15:15~18:30 外訪。アポイントを取った顧客を順番に訪問する。
18:30~19:00 募集物の進捗状況報告、集計。
19:00~ 説教タイムなど。
19:30 退社
かなりざっくりしていますがこんな毎日を過ごしていました。
約15分おきに上司から手数料の進捗具合を聞かれます。笑
これはある程度どこの証券会社も同じでしょう。
私が学生時代に憧れた証券マンの実態は?
私は学生時代に証券マンという仕事に憧れを持っていました。
もちろんその当時は過去の証券会社の歴史や世間体も知らずに入社を決めました。
これは入社後半年くらいで分かった事ですが・・・
証券マンとは
「金融商品の営業のプロ」
「金融商品の発注のプロ」
です。
決して金融知識が豊富、運用能力が高い人が優秀な証券マンではありません。
社内でも表彰されるのは大きな資金を導入した、多大な手数料を会社落とした営業マンです。
これが証券会社(リテール営業)の仕事内容であり、実態です。
しかしながら対面の証券会社すべてがダメ、すべての証券マンがダメという訳ではありません。
この業界に数年いると業界関係者の知り合いが沢山できます。
その中にはすごい方が沢山いました。
今日はここまで。