本日は東京証券取引所 第二部 上場 コード番号 5304
SECカーボンの業績上方修正について書いていきたいと思います。
目次
SECカーボン株式会社とは
兵庫県尼崎市に本社を置く日本の独立系炭素製品の大手メーカーです。国内外からセック、セックカーボンと呼ばれております。アルミニウム製錬用の人造黒鉛電極の世界シェア約5割を持つ企業です。日本では人造黒鉛電極製造メーカーは主に4社上場しており、その1社がSECカーボンとなります。時価総額(11月6日現在)はその4社の中で一番小さいです。
上方修正の内容
11月6日引け後に業績の修正を発表しました。本決算は11月13日の予定です。2019年3月期第2四半期、中間決算時点の上方修正を発表しているので決算は終わったも同然と考えて良いでしょう。それでは修正について記入していきます。
2019年3月期第2四半期(中間決算)上方修正
これは2018年4月~2018年9月までの企業の経営成績となります。
・売上高 170憶3500万(前回予想は153億)修正幅 +17億3500万 増減率 +11.3%
・営業利益 73億1200万(前回予想は48憶)修正幅 +25憶1200万 増減率 +52.3%
・経常利益 74憶8900万(前回予想は49憶)修正幅 +25憶8900万 増減率 +52.8%
・純利益 51憶9400万(前回予想は39憶)修正幅 +12憶9400万 増減率 +33.2%
・1株利益(EPS)1,268.54円(前回予想 950.3円)+318.24円 増減率 +33.4%
前回予想は2018年5月11日に公表。
この数値は物凄いものですね。こんなに会社予想を上回る企業はなかなかありません。
13日に発表される数字はこの数字とほぼ同じものが発表されるはずです。
2019年3月期通期連結業績予想の修正
2018年4月~2019年3月までの業績の予想を上方修正しております。通期上方修正ですね。
それでは数値を発表します。
・売上高 368憶(前回予想は298億)修正幅 +70億 増減率 +23.5%
・営業利益 153憶(前回予想は82億)修正幅 +71億 増減率 +86.6%
・経常利益 155憶(前回予想は84億)修正幅 +71億 増減率 +84.5%
・当期純利益 108憶(前回予想は66億)修正幅 +42億 増減率 +63.6%
・1株利益 2,656.21円(前回予想は1,608.21円)+1,048円 +65.1%
これもとてつもない数字になりますね。
この数字からわかる事は下半期(2018年10月~2019年3月)の方が上半期(2018年4月~2018年9月)と比べて売り上げ、収益ともに伸びるという事がわかりますね。黒鉛電極の価格高騰によってとんでもない決算を出してきましたね。
修正の理由
- 国内外の炭素製品の市況が当初想定よりも回復する見通し
- 炭素製品の中でも特段、人造黒鉛電極は世界的に需給バランスが逼迫している事→販売価格、収益性が向上する事
為替レートに関しては中間決算時点の為替レートは1ドル110.57円で算出。下期 想定為替レート 1ドル105円で算出。
詳しくはわかりませんが為替が円安に振れると収益向上につながる為、想定為替レート1ドル105円はかなり保守的に感じます。
今回の上方修正で考える事、わかる事
同業他社はどうなのか?
今回の上方修正は主に人造黒鉛電極が世界的に不足しており、値上がりしてる事が起因しています。そこで人造黒鉛電極を製造している会社を調べてみましょう。好業績銘柄の関連銘柄、取引先、仕入先などを調べる事はとても大切です。最初のSECカーボンの説明でも書きましたが私が知っている人造黒鉛電極メーカーは4社。東洋炭素も関連するとは思いますが特殊製品が多いイメージなので除外します。まとめるとこんな感じ。
- 昭和電工(4004)人造黒鉛電極 世界シェア1位
- 東海カーボン(5301)人造黒鉛電極 世界シェア3位
- 日本カーボン(5302)日本で初の人造黒鉛電極の製造に成功
- SECカーボン(5304)アルミ製錬用人造黒鉛電極 世界シェア 50%
株価はどうなるのか?
これだけ黒鉛電極の需給が逼迫している状況なので特殊要因がなければ世界シェア1位の昭和電工、3位の東海カーボンの業績が良いことはほぼ約束されているでしょう。ただ・・・以前より決算時とても良い決算を発表し株価も反応するのですがなかなか思ったように続きませんね。昨年末に2018年大納会時の株価を予想していたのですが昭和電工は約8000円、東海カーボンは約3000円。完全に予想は外れていますね。笑。 お伝えしていた人すみません。PERなどを見ても上がらないはずがないと思ってしまうような決算。上がらない理由は何か?
私の目標株価まで人造黒鉛電極メーカーの株価が上がらなかった理由は?
私なりの推測ですが
- 機関投資家の空売りが強い事
- 人造黒鉛電極の値上がりは異常なスピードの為、今後どこかでスピード調整がある事
- 米中貿易摩擦などが理由で株価が重い事
主にこの3つだと思っています。まず1つ目の機関投資家の空売りについては仕方ない事ですね。確かに株価も直近数年間でかなり上昇しています。機関投資家が売り仕掛ける理由もわかる気はします。2つ目の今後人造黒鉛電極の値段、需給のスピード調整。これは私もあると思っています。需給が整えば現在の値段の1割くらいにはなってしまうと考えています。問題は時期です。鉄鋼関連の情報誌や専門誌を見ていると2019年中はこの需給の逼迫は続くと考えられます。問題は2020年からですね。元々、人造黒鉛電極が値上がりし始めた理由は中国の環境規制がきかっけです。それで・・・今、中国の方で黒鉛電極メーカーが動き出しているとかいないとか(これは噂なのであくまで参考意見として下さい。)。そんな噂を聞いたので2019年中に株価はピークを付けると予想しています。
まとめ
- SECカーボンは好決算
- 人造黒鉛電極メーカー各社ともにしばらく業績が伸びる可能性がある事
- 1年先か2年先かどこかで人造黒鉛電極の異常な値下がりの可能性がある事
- 好業績銘柄の関連銘柄、販売先、仕入先を調べる事。
- 好業績銘柄の同業他社やシェアなどを調べる事。
- 市場コンセンサスと発表した決算を比べる事。(今回SECカーボンはコンセンサスがわかりませんでした。)
今回、SECカーボンの決算と決算の見方が混じってしまいましたね。個別決算内容の考察と決算の見方は分けた方が良さそうですね。本当は注目していたワークマンや協和エクシオなどの決算についてもお伝えしたいのですが時間の制約上今日はここまでとさせて頂きます。また何か皆様に有益な情報をお伝えできたらと思っています。ちなみに誤字・脱字・誤りなどもあると思うのでお問い合わせ欄、ツイッターよりご指摘頂ければ幸いです。
※これはあくまで私の考察です。売り買い、目標の株価等はご自分でお考え下さい。投資は自己責任ですよ。